出会い系サイト規制法 その趣旨と規制対象となるサイト・アプリとは?

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違法・脱法アプリを使ってはいませんか?「出会い系サイト規制法」の内容と法律の目的、制定の背景や、異性紹介事業にはあたらないとの建前で年齢確認を厳密に行っていない出会い系チャットアプリが危険だと言わざるを得ない“脱法的”な運営の手法、実態について解説しています。

出会い系サイト規制法とは?

出会い系サイト規制法とは、正式には「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」といい、2003年9月13日に施行されました。

2008年12月1日には改正法が施行され、現在では次のいずれかによる方法で利用者が18歳未満の未成年でないことを確認することが義務化されています。

  • 運転免許証その他の当該異性交際希望者の年齢又は生年月日を証する書面の当該異性交際希望者の年齢又は生年月日、当該書面の名称及び当該書面を発行し又は発給した者の名称に係る部分の提示、当該部分の写しの送付又は当該部分に係る画像の送信を受ける方法
  • クレジットカードを使用する方法その他の児童が通常利用できない方法により料金を支払う旨の同意を受ける方法

ワクワクメールやハッピーメールなどの出会い系サイト(アプリ)に登録した際に、年齢確認の手続きのためにクレジットカード決済や運転免許証、健康保険証などの身分証の送信を求められるのは、法律により厳格に年齢確認を行うことを義務付けられているためなのです。

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規制法の趣旨・目的

この法律は、出会い系サイトをはじめとしたインターネット異性紹介事業の利用に起因する児童買春その他の犯罪から児童を保護し、もって児童の健全な育成に資することを目的に(第一条)制定、施行されました。

ここで言う児童とは、18歳未満の未成年者のことで、法律では18歳未満の未成年との援助交際や買春はもちろん、金銭授受の有無に関わらず、18歳未満の未成年を性交の相手方として誘うこと自体を禁止しています。

この法律で出会い系サイトが規制対象となった理由は、18歳未満の未成年(児童)が援助交際や買春の被害に遭うきっかけとして最も多く使われていたのが出会い系サイトだったためです。

つまり、

  • 年齢確認の厳密化により18歳未満の未成年(児童)が出会い系サイトを利用できなくすること
  • 出会い系サイトなどで18歳未満の未成年(児童)を性交の対象として誘因することを禁止すること

により、出会い系サイトをはじめとしたインターネット異性紹介事業を通じて18歳未満の児童と一切出会えないようにして、18歳未満の未成年(児童)が性犯罪に巻き込まれるのを防ぐということなのです。

出会い系運営業者に対する届け出の義務化

また、改正後2008年12月1日に施行された現行の法律では、出会い系サイトやマッチングアプリなどインターネット異性紹介事業を運営する業者に対しては、各都道府県公安委員会への届出が義務付けられています。

PCMAXでは異性紹介事業の届出済みであることを認定番号とともに公式サイト上で公開している
PCMAXの公式サイトのスクショ画像

PCMAXなどの優良な出会い系やマッチングアプリでは、公式サイト(アプリ)上で、

  • インターネット異性紹介事業の届出済みであること
  • その際に公安委員会から発行される認定番号

を公開しているサイトやアプリが多いです。出会い系やマッチングアプリの運営業者にとっては、“法律に則ってきちんと手続きを行っている”ことを明示することで、健全なサイト(アプリ)であるとのPR効果が期待できるので、背届出に関する情報を積極的に公開するところが多いです。

届出や年齢確認がない出会い系アプリは違法?

年齢確認を厳密に行うともに、法律に基づいて異性紹介事業者として届出をきちんと行っている真っ当なサイトやアプリがある一方で、App StoreやGoogle Play Storeには、異性交際や出会いを強く想起させる出会い系アプリの中には、年齢確認も届出も行っていないアプリが数多くあります。

具体的には、ソクデキギリギリトークORCA – オルカといったアプリなどがそうです。

これらの出会い系チャットアプリは法律に違反しているとは言えないのでしょうか?

法律では異性紹介事業を次のように定義[1]しています。

異性交際(面識のない異性との交際をいう。以下同じ。)を希望する者(以下「異性交際希望者」という。)の求めに応じ、その異性交際に関する情報をインターネットを利用して公衆が閲覧することができる状態に置いてこれに伝達し、かつ、当該情報の伝達を受けた異性交際希望者が電子メールその他の電気通信を利用して当該情報に係る異性交際希望者と相互に連絡することができるようにする役務を提供する事業を行う者

また、警察庁による出会い系サイト規制法の解説[2]では、異性紹介事業をよく分かりやすく以下のように定義しています。

・面識のない異性との交際を希望する者(異性交際希望者といいます。)の求めに応じて、その者の異性交際に関する情報をインターネット上の電子掲示板に掲載するサービスを提供していること。
・異性交際希望者の異性交際に関する情報を公衆が閲覧できるサービスであること。
・インターネット上の電子掲示板に掲載された情報を閲覧した異性交際希望者が、その情報を掲載した異性交際希望者と電子メール等を利用して相互に連絡することができるようにするサービスであること。
・有償、無償を問わず、これらのサービスを反復継続して提供していること。

実際に使ってみると分かりますが、先に挙げたような出会い系チャットアプリは、この4ついずれにも該当すると“思われる”内容となっています。しかし、どのアプリも届出も厳密な年齢確認も一切行っていません。これは違法状態とは言えないのでしょうか?

実は、届け出も年齢確認も行っていない出会い系アプリは、この異性紹介事業の定義を逆手にとって次のような論理で、自らを異性紹介事業ではないとしているのです。

  1. 利用規約で異性交際・出会いにつながる行為を禁止
  2. 異性交際・出会いにつながるメッセージの送信、掲示板やプロフィールへの投稿を禁止
  3. 2.に該当するメッセージや文言は運営側によって削除する場合があると規定

出会いや異性交際を強く想起させるアプリでありながら、利用規約等では“異性交際や出会い禁止の単純なメッセージ交換アプリ”との体裁を整えているのです。

これらが厳密に守られていれば、利用者同士は出会いや異性交際につながるやり取りができませんし会うことも不可能なので異性紹介事業には該当しないとの論理に正当性があるとも言えそうですが、現実はそうはなっていません。

以下の画像は、ソクデキで男性と女性でそれぞれアカウントを作りメッセージの送受信が可能か、出会いや異性交際につながるやり取りが可能かについて検証した際の画像です。

ソクデキでは電話番号の送受信ができてしまう
出会い系アプリ「ソクデキ」で受信したメール内容

このように、利用規約等で規制している出会いや異性交際につながるメッセージの交換はできるようになっており、異性紹介事業にはあたらないとの建前は破綻していると言ってもいい状態です。

現状では、法律制定時にこのような形態の出会い系アプリが存在していなかったこともあり、規制対象として厳密に取り扱われているわけではありませんが、いずれもこういった脱法的な出会い系アプリも法規制の対象とすべきであることは間違いないと言えるでしょう。

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ここがポイント! – 記事の概要とまとめ

  • 「出会い系サイト規制法」は18歳未満の未成年児童が援助交際や買春などの性犯罪被害に遭うことを防ぐことを目的に制定、施行された法律で、
  • 登録者が18歳未満の児童ではないことをクレジットカード決済や証明書の送信などにより厳密に行うことで18歳未満の児童が出会い系サイトなどを使えないようにすることで被害を防止することが狙い
  • 出会い系アプリには異性紹介事業にはあたらないという論理で、届け出も年齢確認も行っていないアプリや業者が数多くあるが、その中には実際には出会いや異性交際につながるメッセージのやり取りが可能な脱法的なアプリもあり、
  • 現状では厳密に規制されているとは言えない脱法的な出会い系アプリも法律の規制対象とすべき